スプリント未完了の根本原因を診断する
スプリントのタスクが完了しない背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。下のチャートは主な原因カテゴリを示しています。気になる項目をクリックして、詳細と対策を確認しましょう。
原因カテゴリ分析レーダー
詳細情報
チャートの各項目(計画、実行など)をクリックすると、ここに詳細な説明が表示されます。
緊急対処法:未完了タスクへの対応フロー
スプリントが未完了に終わった時、冷静かつ建設的に対処することが重要です。以下のステップに従って、問題を学習の機会に変えましょう。
プロダクトバックログに戻す
スプリント終了時に未完了の作業は「持ち越し」せず、プロダクトバックログに戻します。これはスクラムの原則であり、透明性を確保し、チームの真のキャパシティを可視化するための重要なステップです。「部分的な完了」は認められず、ベロシティには計上しません。
再見積もりと再優先順位付け
プロダクトバックログに戻されたアイテムは、残りの作業量に基づいて再見積もりが必要です。その後、プロダクトオーナーが最新のビジネス価値に基づき、他のアイテムと共に優先順位を再評価します。これにより、次のスプリント計画が現実的なデータに基づいて行われます。
スプリントレトロスペクティブでの根本原因分析
レトロスペクティブ(振り返り)は、なぜタスクが完了しなかったのかをチームで議論し、根本原因を特定するための最も重要な場です。個人の責任を追及するのではなく、プロセスや環境といったシステム的な問題に焦点を当て、具体的な改善アクションプランを立てます。
プロアクティブな予防策
問題の再発を防ぐには、日々のプロセスとチームの能力を強化することが不可欠です。以下の領域で継続的な改善を目指しましょう。
主要フレームワーク&定義
スプリントの成功に不可欠な、重要な定義とフレームワークをいつでも確認できるようにまとめました。
DoR vs DoD
「準備完了の定義(DoR)」と「完成の定義(DoD)」は、作業の品質と透明性を保つための両輪です。
| 基準 | DoR (スプリント開始前) | DoD (スプリント終了時) |
|---|---|---|
| 明確性 | 受け入れ基準が明確 | 受け入れ基準を満たす |
| サイズ | 1スプリントで完了可能 | - |
| 依存関係 | 特定・評価済み | 解決済み |
| テスト | テスト可能 | 全テストパス |
| 価値 | ビジネス価値が明確 | - |
KPTフレームワーク
レトロスペクティブを効果的に進めるためのシンプルなフレームワークです。
| Keep (継続すること) | Problem (問題点) | Try (次試すこと) |
|---|---|---|
| 上手くいき、今後も継続すべきことは? | どのような課題や障害に直面したか? | Problemを解決するために、具体的に何ができるか? |